聖林寺(しょうりんじ、桜井市下692)は静かで小さな寺ですが、とても有名な寺です。収蔵庫に国宝の十一面観音が安置されているからです。
フェノロサがほれこんだ仏像。天平彫刻の傑作の1つで、木心乾漆の立像です。りりしい姿をしていて、顔にはしわのような線が入り、胸から下は漆の黒が出ています。量感のある仏像ですが、指先は華奢な作りを見せます。奈良県では法華寺(奈良市)、室生寺(宇陀市)の十一面観音ととともに、人気を集めています。
境内は狭いのですが、花がたくさん植えてあります。本堂も小さく、その割に本尊は大きな石の地蔵坐像。元禄時代のもので、きれいなままです。(S)=2002年11月17日撮影(境内)