蓮長寺(奈良市油阪町426)は10月になると、強い香りに包まれます。本堂の前の左右に、大きなキンモクセイの木が2本。高さは6、7メートルあり、こんもりとした形に刈ってあります。秋の香りはそこから漂ってきます。
「昭和6(1931)年に花が咲くようになった、という記録がある」住職は語っていました。樹齢は90年になります。
「以前は秋の彼岸が過ぎると、咲いていた。地球温暖化の影響でしょうか、最近は遅くなり、10月になってから。咲き出すといっぺんに咲く」。これも住職から聞いた話です。
キンモクセイの横に1本のギンモクセイがあり、同じ時期に白い花を木全体に散りばめます。金銀そろって、境内に小さな秋を演出するのですが、ギンモクセイの方は、あまり香りがしないそうです。(S)=2004年10月15日撮影