甘樫丘(あまがしのおか=奈良県高市郡明日香村大字豊浦 )は、標高148メートルのゆるやかな丘です。わずか100メートルあまりの高さですが、これが問題になります。
飛鳥時代、蘇我蝦夷(えみし)・入鹿(いるか)親子が、権勢を見せるために、居館を構えたとされます。平野の中の丘は目立つ存在で、ここからは明日香が一望に見下ろせるのです。そのおごりが、やがて大化の改新として、入鹿の暗殺へと結びついていきます。
そんな歴史の思いをはせながら登ると、たまたま居合わせた地元の人が、明日香の地を眺めながら、歴史を語ってくれました。ちょうどアジサイのころでした。(S)=2009年5月31日撮影