新年を長谷寺(奈良県桜井市初瀬731)で迎えたことがあります。山門から399段の廻廊(かいろう)が続きます。観音万燈会(かんのんまんとうえ)の明かりを頼りに登っていくと、灯篭(とうろう)が廻廊わきの冬ボアンを浮かび上がらせていました。
竹を切って作った支柱にわら頭巾が被せられ、その下で花が身を縮めていました。夜の寒牡丹は、三が日だけの楽しみだそうです。もちろん、昼間は見ることはできますが。
4月半ばから5月初めにかけて咲くあでやかな牡丹は、150種7000株を誇ります。ただし冬ボタンは30株ほどなので、つつましく咲いていると言えます。(S)=2005年1月1日撮影