コスモスの寺として知られる般若寺(奈良市般若寺221)は、東大寺の大仏殿から歩いて20分ほどの場所にあります。さびれていた寺を復興させるために、コスモスを植えたたと、15年ほど前に訪ねた時、住職が話していました。
色を落とした本堂を背景に、柔らかな色調の花が風に揺れます。その数10万本。家族が手で植えて、その長年の努力の結果、奈良の秋の風物詩になったとか。「6月から8月にかけて、夜明けとともに植え始め、日が昇ったら打ち止め」。気が遠くなるような作業で、秋の色を織り成すのです。(S)=2014年10月14日撮影