奈良の市街地から柳生(やぎゅう)に抜ける道筋に、円成寺(えんじょうじ)はあります(奈良市忍辱山=にんにくせん=町1264)。キキョウは一群(ひとむら)となって、夏の本堂に涼やかさを送ります。
訪ねた時、住職の田畑祐弘さんは「コケの中にキキョウが点々と咲く庭もいいと思うが、手入れをようせん」と、冗談半分に話していました。手入れは雑草を引き、花がらを摘むくらいで、「ほったらかし」。とは言いながら、根底には「花は自然の方が、この寺の雰囲気に合う。あまり意図して庭を作らない」の思いがあるようでした。(S)=2006年7月15日撮影