奈良市菩提山町の正暦寺(しょうりゃくじ)は、紅葉の名所として知られています。バス停から歩けば30分、最寄りのJR帯解駅から歩けば1時間20分ほどかかります。少し山に入ったところにあり、紅葉のシーズン以外は静かな寺で、自然が包まれています。それならば、寒い時期でも何か花があるのではないかと思って訪ねてみたことがあります。咲いていたのは福寿草でした。
福寿草は、客殿の福寿院に入る参道にありました。寺のファンが院の名にちなんで、80株を植えたそうです。寺によると、その後に補植もしたのですが、数が減ったのが残念で、ポツポツとしか咲きません。それが10年以上前の事です。今はどうなっているのでしょうか。
太陽に敏感な花。「日が当たらないと、花は開かない」と寺で聞きました。曇の日に訪れ、花びらが閉じていて、がっかりする人がいるそうです。「1つの花は、開いたり閉じたりしながら、20日ほど咲く」。案外、息の長い花です。(S)=2005年2月21日撮影